36.8℃の微熱。

 
「ねぇ、バンビどうする気?」


気を失っているのをいいことに、ツンツンつついたり腕を持ち上げて遊んでみたり。

挙げ句の果てには顔に落書きまでしそうな勢いのユカ様に、あたしは慌てて疑問を口にした。


「んー? 目が覚めたら助けたお礼に家まで送ってもらう気ー。それに浅野君だってまだ戻ってないでしょ。話、あんだよね」


すると、返ってきたのはなんとものん気な答えと王子のこと。

こんな日にわざわざ話って、ユカ様は一体何を話すというの。

今でも王子はあたしを避け続けているため、見兼ねて強行作戦に出るつもりなのかもしれないけど。


「・・・・ねぇ、その話って、あたしがいたらマズいの?」

「え?」

「あたしも一緒に残って浅野君と話がしたいの。ダメ?」


こういう機会でもなければまともに話もできないし、もうあたしの中では気持ちが固まっているし。

今がチャンスだと思う。

けれど。


「ダ〜メ。いいの? 電車止まって帰れなくなっちゃっても」


ユカ様はノー。

あたしがいたらマズいらしい。