「ねぇ、バンビどうする気?」
気を失っているのをいいことに、ツンツンつついたり腕を持ち上げて遊んでみたり。
挙げ句の果てには顔に落書きまでしそうな勢いのユカ様に、あたしは慌てて疑問を口にした。
「んー? 目が覚めたら助けたお礼に家まで送ってもらう気ー。それに浅野君だってまだ戻ってないでしょ。話、あんだよね」
すると、返ってきたのはなんとものん気な答えと王子のこと。
こんな日にわざわざ話って、ユカ様は一体何を話すというの。
今でも王子はあたしを避け続けているため、見兼ねて強行作戦に出るつもりなのかもしれないけど。
「・・・・ねぇ、その話って、あたしがいたらマズいの?」
「え?」
「あたしも一緒に残って浅野君と話がしたいの。ダメ?」
こういう機会でもなければまともに話もできないし、もうあたしの中では気持ちが固まっているし。
今がチャンスだと思う。
けれど。
「ダ〜メ。いいの? 電車止まって帰れなくなっちゃっても」
ユカ様はノー。
あたしがいたらマズいらしい。


