今までギャーギャー騒いでいたクラス中が一瞬にして静まり返る。

バンビからかい部隊の女子も、休校に浮かれる男子も、バンビ本人ですら、今落ちた雷の大きさに一斉に息を呑んだ。

そして、次の瞬間。


「キャーッ!!」

「やだっ、もう帰るっ!!」

「俺も俺も!!」


と、クラスの面々が我先にと帰り支度をはじめ、教室を飛び出す。

それに混じって担任とは思えない腑抜けぶりを見せるバンビは、どうやら腰が抜けたようで。

教壇に両肘をついてなんとか這い上がると、情けない声で一言。


「明日が休校になる場合は、連絡網回すからなぁぁぁ〜・・・・」


そう言って、パタリ。

気を失った。


「ね。どう考えたって今日は無理でしょ? いくらでもチャンスはあるわよ、茜ちゃんも帰りな」


そういったパニック状態の中でも唯一冷静だったのはユカ様。

雷に驚くこともなくサラリとそう言ってのけると、やれやれと腰を上げてバンビに近づいた。

教室にはもうあたしたちしか残っていないけど・・・・ユカ様、バンビをどうする気?