すると。
「何を言うか、このバカちん!」
「でっ!!」
珍しく顔を真っ赤にしたユカ様に頭をポカッと叩かれたあたし。
その拍子に口の中の卵焼きがプップッと飛び出し、黄色い粒が机にふっ散らかった。
ヤバイ!と慌ててティッシュで拭き取りつつも、あたしの頭の中には“?”マークが浮かぶ。
・・・・あれれれ、違った?
「できないわよ、そんなことっ!サトルは特別なの!そう簡単には襲えないわよっ!」
「おおお、襲う!?」
「そう!まだ足が完全に治たワケじゃないから、今が襲うチャンスだとは思うけど・・・・。軽い女だとは思われたくないし、第一、告白だってまだしてないし」
「そうなの・・・・」
なんだ、そういうことだったの。
てっきりあたし、サトルさんと大人の階段を上ったことは本人同士だけの秘密にしておきたかったんだ、なんて思ったけど。
地雷踏んだ!? って思ったけど。
意外と奥手なのね、ユカ様も。
・・・・まぁ、襲う気は満々らしいから? 果たして奥手なのかどうかはナゾだけれども。


