それからの居残りは終始無言。
あたしの勝手な思い込みだとしても、こうしてまたフラれては今日のところは心の回復が難しくて。
嫌われていながらも───それは大いなる勘違いだけれども、ちゃんと教えてくれる先生に頷いたり首を振ったり・・・・。
それだけの意思表示で終わった。
これだから、あたしは勘違いを否定することも「本当は先生が好きなんです」と言うこともできず。
勘違いをさせたまま、家路につくことになった。
そうして心の回復を待つため無言に徹したあたしを、なぜかまたまた勘違いした先生。
帰りぎわ・・・・。
「この間のお礼にラーメンごちそうしてくれるって話、あれ、お金だけもらえれば1人で行くよ」
などと、とんでもなくすっとんきょうなことを言い出した。
あんこを見つけてくれたお礼に細田さんのお店でラーメンを、という約束のことだ。
「学生にたかるな!鬼っ!」
それに対してあたしはまた、かわいくないことしか言えなくて。
家に帰ってからちょっと泣いた。
先生、かなりの強敵・・・・。


