「江田ちゃーん、おーい」
「ギョエッ!!」
「だからさ、その驚き方はひどいって前も言ったでしょ。いつになったら俺の顔に慣れてくれるの」
それからどれくらいの間、ぼーっとしていたんだろうか。
気づくと先生の顔が超ドアップで目の前にあって、あたしは思わず変な声を上げてしまった。
「だだだだ、だって!」
「だって、何さ」
「なななな、何もっ」
近い、近い近い近い!
ドキドキするからあっち行って!!
そんな心の声はとうてい口にできるわけもなく、あたしは仰け反って先生の顔を遠ざけた。
・・・・まぁ、微々たるものだけど。
「ふぅ〜ん、そんなに俺のことがねぇ。やっぱ江田ちゃんだねぇ」
「はっ?」
すると、妙に納得した口振りであたしの顔を観察しはじめる先生。
顎に手なんかかけちゃって、探偵が謎解きをするときのようだ。
だから顔が近いってば!もう仰け反れない!・・・・けど、悔しいけどカッコイイぞこんにゃろぉ〜。
そうしてしばらく顔を観察した先生は、顎から手を放すと一言。


