36.8℃の微熱。

 
───*。゚



翌日。

今日も王子と一言も話せないまま学校が終わり、塾の時間。

こういう状況ではもう居残り対策もできなくなって、例のごとくあたしは先生と勉強中だ。


「ねぇ先生、小春さんにフラれたときってどんな気分でした?」


居残りの合間の休憩時間。

あたしは塾の自販機で買ったオレンジジュースを、先生は缶コーヒー片手にベランダで一服を、というとき、気になっていたことを聞いてみることにした。


「なんだよ、いきなり。昔のことを持ち出すなんて、そんなかわいくない子だったっけ?」

「いや、ちょっと・・・・」


かわいい、かわいくないは別にして、やっぱり聞いておきたい。

散々振り回した挙げ句にお断りしたいから話をさせてほしい、などと考えていることは、王子には酷なのはよく分かっている。

あたしが逆の立場だったら、やっぱり避けてしまうだろうし。


でも、だからこそ、あたしはそういう気持ちを知った上で先生にぶつからなくちゃならないんじゃないか、とも思う。

好きを犠牲にした覚悟を持って。