36.8℃の微熱。

 
口いっぱいのポテトをジュースで流し込むと、ユカ様は急に真面目な顔になってそう言った。

・・・・っていうか、チュー!?

エエエエ、エッチ!?


真面目な顔とは裏腹に、とんでもないことを口にしたユカ様。

そんな彼女にあたしはジュースを持つ手の力がスルリと抜けた。

幸いにもジュースはトレイの上に着地してくれて、中身がこぼれることはなかったのだけど。


「恋する女子だもん、もちろんしたいよね? いろいろと♪」


そう追い討ちをかけるように怪しく微笑んだユカ様に、あたしはさらに動揺してしまい・・・・。


「そんなハレンチなっ!! 考えるワケないでしょ、ヘンタイ!!」


と言ってテーブルを叩いて猛抗議をした瞬間、手の当たりどころが悪かったらしく、トレイごとひっくり返してしまった。

無惨に飛び散るポテトと、バラバラになってあたしにふりかかる新発売のハンバーガー。

それと熱くなった顔を冷やすにはちょうどいい氷付きのジュース。

それらが絶妙かつ最高のタイミングで災いをもたらし、オチにトレイの角が足に直撃した。