ほら、結局こんなふうにしかお礼を言えないじゃないか。
あたしが素直になれないのは先生の性格せいでもある。と、思う。
すると。
「勘違いすんなよ? 前にも言ったけど、江田ちゃんは地球がひっくり返っても“ナイ”からな」
「・・・・!!」
ご丁寧に助手席の窓まで開けて、勝ち誇ったように言いながらヒラヒラと手を振る先生。
その顔は俺様魔王そのものだ。
・・・・ていうか、バレバレだ!!
「血色が戻ったっていうか、超真っ赤になっちゃって。顔触られたくらいで意識すんなよ。バーカ」
「うるさいですよっ!あたしだって先生なんか“ナイ”もん!」
「ほぅ〜。それはありがたいことだこと。んじゃ、俺は行くわ」
ムカムカ、ムカムカ・・・・。
先生は全部分かった上であたしをからかって遊んでいたんだ!
確信犯じゃん!また踊らされた!
「先生の、ぶぁぁぁぁぁーか!!」
プップーとクラクションを鳴らして走り去っていく黒丸に、あたしはあらんかぎりの声で叫んだ。
地団駄だって踏んでやるっ!


