36.8℃の微熱。

 
ほら、結局こんなふうにしかお礼を言えないじゃないか。

あたしが素直になれないのは先生の性格せいでもある。と、思う。

すると。


「勘違いすんなよ? 前にも言ったけど、江田ちゃんは地球がひっくり返っても“ナイ”からな」

「・・・・!!」


ご丁寧に助手席の窓まで開けて、勝ち誇ったように言いながらヒラヒラと手を振る先生。

その顔は俺様魔王そのものだ。

・・・・ていうか、バレバレだ!!


「血色が戻ったっていうか、超真っ赤になっちゃって。顔触られたくらいで意識すんなよ。バーカ」

「うるさいですよっ!あたしだって先生なんか“ナイ”もん!」

「ほぅ〜。それはありがたいことだこと。んじゃ、俺は行くわ」


ムカムカ、ムカムカ・・・・。

先生は全部分かった上であたしをからかって遊んでいたんだ!

確信犯じゃん!また踊らされた!


「先生の、ぶぁぁぁぁぁーか!!」


プップーとクラクションを鳴らして走り去っていく黒丸に、あたしはあらんかぎりの声で叫んだ。

地団駄だって踏んでやるっ!