36.8℃の微熱。

 
それから。

あたしの顔に手を伸ばして、目の下辺りをゴシゴシゴシ。

両手でがっしりあたしの顔を挟み込んで、親指を器用に使いながらそんなことをしはじめた。


「いだだだっ!ちょっと、なにすんですか!痛いですよ!」


と抵抗してはみるものの。

先生の顔が近くにありすぎて、しかも首が動かせないものだから、顔に熱が集中してくる。


車の中で2人きり、キスできそうなくらいの距離に顔があって。

・・・・相手が先生ならずとも、こんなシチュエーションに意識しないなんて無理な話。

だからあたしは、目をそらして先生の顔を視界に入れないことくらいしかできなかった。


「うるさい、じっとする。涙のあとを取ってやってんだから」


そんなあたしにお構いなしに、先生はさらにゴシゴシゴシ。

真剣な顔つきでそう言って、しばらくあたしの顔を触り続けた。


先生は、何かと言葉が足りないところがあると思う。

こういう嬉しい気遣いに気づくのは、いつもあとになってから。

その頃には、あたしは何も言えなくなっている・・・・。