36.8℃の微熱。

 
ほんの少し写真を見ただけで、こんなにもあんこのことを分かられてしまうと、ありがたいけどあたしの立場がない・・・・。

迷子にさせた上に一緒に探してもらっているぶん、余計に。


「先生って鋭いですね」

「まぁね。それに、江田ちゃんちの犬だし。単純そうじゃん?」

「・・・・」


傑作!と笑われても、単純だとバカにされても、もうあたしにあんこをフォローできる言葉はない。

残念だけど、本当にそういう犬なのだ、あんこというヤツは。

そこが逆にかわいいんだけどね。





「あ。先生、もうこの辺で降ろしてください。あんこの散歩コースに入りました」


そんな会話をしているうちに、先生の黒丸はいつの間にかあたしの家の近くまで来ていた。

車を降りようとシートベルトに手をかけながら、先生に言う。

そうすると、先生はすぐに道路の端に黒丸を停めてくれて。


「あんこのことで何か思い出したら電話して。食べ物以外に好きなものとか、行きそうな場所とか」

「はい」


最後にもう一つ、指示を出した。