もう一度、そのニタニタ顔の理由を聞こうと身を乗り出せば・・・・。

チャンチャカ チャンチャカ♪

奇妙な着メロが流れだした。


「もしもし? あー、俺」


その着メロの正体は、お兄ちゃんにかかってきた電話らしい。

あたしに気を遣う素振りもなく電話に出るお兄ちゃん。

手でシッシッって追い払う真似までして。・・・・もはやここまでか。


「おじゃましましたぁ」


仕方なく、自分の部屋に引き下がるあたし。

それからしばらく、壁の向こうからは楽しそうなお兄ちゃんの笑い声が漏れ聞こえていた。

何がそんなに楽しいんだか。

あたしにも少し分けてもらいたいよ、まったく・・・・。










自分の部屋に戻ると、机の上にはお母さんのサイン入り申込書。

その隣には、あたしの携帯。

嫌々ながら写メを撮る。

先生からの宿題として、お母さんのサインがもらえたら写メを送らなければならないんだ。


送るとき、イヤミも込めて、こう送ってやった。

【グッバイあたしの青春】