36.8℃の微熱。

 
「今どこにいるか分かんないの!探しに来て〜、せんせぇ〜!!」

『分かんないって・・・・江田ちゃんアホすぎ。じゃあ、何か目印になるようなものは?』

「ピンクのハートのプレートぉ」

『そこにはなんて書いてある?』

「あんこぉぉ〜」

『・・・・ああ、あんこ!?』


噛み合っているようでそうでもない会話を、オエオエ泣きじゃくりながら先生と続ける。

話している間中、先生はガタンとかゴトンとかバタンとか。

ひっきりなしに物音を立てて。


『要するに、迷子になったのは江田ちゃんちのパグなんだね?』

「うん・・・・」


やっとのことで迷子になったのが愛犬なのだと理解すると、それと同時に車のエンジンをかけた。


『分かった。俺も探すから。じゃあ、そうだな、一度どこかで合流しよう。江田ちゃんの位置からだと、どこが一番近い?』

「河南駅。あたしがいつも使う駅なの。そこなら5分で行ける」

『分かった。10分で行くからそこで待ってて。必ず見つけるからもう泣くな。分かったな?』

「うん。ありがと、先生」