ドンッ!!
王子を思いっきり突き飛ばす。
尻もちをついた王子は、自分がなぜ非難されているのかにやっと気づいた顔をしたけど。
でも、もう遅いの。
取り消せない。
「ご、ごめ・・・・茜。俺、そんなつもりじゃ───・・」
「もういい!あんこのことはあたしが探す!浅野君は帰って!!」
王子の言葉を遮り、あたしはそう力いっぱい叫んだ。
夕暮れの公園にはあたしたち以外に人はなく、蝉が終わりかけの夏を惜しむように鳴いているだけ。
そこに響いたあたしの声は、ひっそりと佇む公園の中にひどくやかましく反響していた。
尻もちをついたままの王子を残して、あたしは走って公園を出た。
家とは反対方向にさらに走り、数百メートルのところにあった電柱の横で足を止める。
・・・・今さら足が震えて。
あんこを探しに行かなきゃと焦る気持ちとは裏腹に、あたしの足は一歩も前に進まなくなった。
そのままヘナヘナと地面に座り込むと、涙がどっと溢れてくる。
王子の言葉が胸に突き刺さって、抜けない・・・・。


