「どどどど、どうしよう!どうしよう浅野君、警察に電話したほうがいいかな!? 何番だっけ!?」
パニックのあたしは携帯を開いても手が震えてボタンが押せず、ただただオロオロするばかり。
あんこが道を覚えているはこの公園までで、ほかの場所に1人で行けるわけはないんだ。
あたしが目を離したから、あたしがリードを外したりなんかしたから、あんこが行方不明に・・・・。
それに加えて、脳裏には最悪の場面がありありと浮かんでくる。
誰かに連れ去られる場面、道路に飛び出して車にひかれる場面。
もしもそれが現実に起こっていたら、これから起こるなら・・・・それは全てあたしの責任。
ペットを飼うことがこんなに重いことだとは思わなかった。
命を預かることがこんなに怖いことだとは思わなかった。
「・・・・ううーっ、あんこぉ〜」
「茜、とりあえず落ち着こう」
「あんこぉ〜、あんこぉ〜・・・・」
こらえきれずにうずくまって泣き出すあたしの背中を、王子が優しくさすってくれる。
大丈夫だから、大丈夫だよって。


