36.8℃の微熱。

 
「・・・・」

「・・・・」


どうするよ、あたし。

とりあえず王子と並んでベンチに腰掛けたはいいけど、話題が全然浮かんでこない。

王子も同じみたいで、荷物が入った大きなバッグの紐を手持ちぶさたでいじっている。


・・・・。
・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。


重い沈黙が続く。

まさか来るとは思っていなかったし、散歩途中の公園で会うとも思っていなかった。

告白の返事だってまだなのに、あたしに何を話せというの。

無邪気に遊ぶあんこが羨ましいったらないよ・・・・って、あれっ!?


「あああ、あんこ!?」


あんこが、いない!?

さっきまで砂場で砂まみれになっていたあんこの姿が消えている。

遊ぶ邪魔になったらいけないと思って外していたリードは、あたしの手の中。


「えっ、あんこ? 何、それ」

「うちの犬なの!さっきまでそこで遊んでたのに・・・・うそっ!?」


一瞬で頭が真っ白になる。

あたしのせいであんこが・・・・あんこが行方不明になっちゃった!!