36.8℃の微熱。

 
「ああ、バイト・・・・」

「もうすぐ夏休みも終わるから、お客さんも落ち着いてきて。まだ宇佐美さんは残ってるけど、俺はもういいんだって」

「そう、なんだ」


そっか、言われてみれば。

もうあれから2週間だし、そろそろバイトも一段落して帰ってくる頃だったんだ。

あれ、じゃあ、どうして王子がここにいるの? しかも大荷物で。

まさか、帰ってきたその足であたしに会いに来た・・・・とか?


「なんていうか、その・・・・家に帰る前に茜の顔が見たくなっちゃってさ。こっちに着いたら自然と足が向かってたんだ」

「えっ!?」


・・・・マ、マジ?

“まさか”が当たった。

どどど、どうしよう!!

こういうのに慣れていないあたしは、ついつい焦って意味もなくベンチを立ったり座ったり、わけの分からないことをしてしまう。


「だからさ、そんなにビックリしないでよ。ただ好きな子に会いに来ただけじゃん」

「えぇぇーっ!!」


そんなあたしに追い討ちをかけたのは、王子のこの一言。

だから慣れてないってば!