「ああ、バイト・・・・」
「もうすぐ夏休みも終わるから、お客さんも落ち着いてきて。まだ宇佐美さんは残ってるけど、俺はもういいんだって」
「そう、なんだ」
そっか、言われてみれば。
もうあれから2週間だし、そろそろバイトも一段落して帰ってくる頃だったんだ。
あれ、じゃあ、どうして王子がここにいるの? しかも大荷物で。
まさか、帰ってきたその足であたしに会いに来た・・・・とか?
「なんていうか、その・・・・家に帰る前に茜の顔が見たくなっちゃってさ。こっちに着いたら自然と足が向かってたんだ」
「えっ!?」
・・・・マ、マジ?
“まさか”が当たった。
どどど、どうしよう!!
こういうのに慣れていないあたしは、ついつい焦って意味もなくベンチを立ったり座ったり、わけの分からないことをしてしまう。
「だからさ、そんなにビックリしないでよ。ただ好きな子に会いに来ただけじゃん」
「えぇぇーっ!!」
そんなあたしに追い討ちをかけたのは、王子のこの一言。
だから慣れてないってば!


