36.8℃の微熱。

 
でも、大好きな砂場で砂を一心不乱に掘り続けるあんこを見ていると、しんどい思いをして連れてきた甲斐を感じる。

まぁ“連れてきた”というよりは“連れてこさせられた”だけど。

それにしても・・・・。


「こらこら、あんこ!あんまり砂まみれにならないでよ〜!たく、ここ掘れワンワンかよ!」


ホントにもう、あんこは。

あ〜あぁ、せっかくお母さんがお風呂に入れたのに台無しにして。

これじゃあ、お母さんの苦労が報われないじゃないの。

あんこ、恐るべし。


そうしてしばらく、砂まみれになっていくあんこ見ていると。


「・・・・茜?」


ふいに、名前を呼ばれた。

声のするほうに顔を向けると。


「やっぱり茜だ。・・・・に、2週間ぶり、だね。元気だった?」

「あ、浅野君!?」


なんとそこには、大きな荷物を背負った王子が、公園の入り口でよっ!と手を上げていた。

びび、びっくりしたぁ。

まさかこんなところで・・・・。


「そんなにビックリしないでよ。今日で終わったんだ、バイト」