36.8℃の微熱。

 
しばらく背中をさすってあげて、持っていたペットボトルのお茶を飲ませてあげて。

そうして落ち着くのを待って、マリアンヌさんにわけを聞く。


「どうしたんですか? あたし、何か忘れ物しちゃいました?」

「ううん、コレよ。コレを茜ちゃんが帰るときに渡そうと思って、用意もしてたんだけど。急にお店が忙しくなっちゃって」

「コレ・・・・?」


マリアンヌさんは、おでこに光る汗を拭いながらあたしに“コレ”とやらを差し出してきた。

追いかけてくるとき手に持っていた、例のさっきの物だ。

受け取ってみると、それは封筒。

マリアンヌさんの趣味全開の、ピンクの花のプリントが入ったかわいらしい封筒だった。


「いろいろとお悩みのようだったから。茜ちゃんの力になったらいいなって、そう思ってね」

「それで・・・・わざわざ?」

「なんてことはないわ。運動しなさすぎなのよね、アタシ。ちょっとくらい走ったほうがいいのよ」

「はぁ。ありがとうございます」


だったらそれ用の格好をしてほしかったな。・・・・言えないけど。