36.8℃の微熱。

 
「まま、まっでっ・・・・!ぢょっど待っでっ、茜ぢゃんっ!!」


砂浜を抜けて、松林を抜けて。

一般道に出たところで、あたしを呼ぶ野太い声がした。

あまりにも苦しそうなその声に何事かと振り向けば・・・・。


「マリアンヌさん!?」


必死の形相のマリアンヌさんが、デカい図体を揺らしながらあたしを追いかけてきていた。

しかも、手に何か持って。


忘れ物を届けに追いかけてくれているのかもしれないけど、問題はマリアンヌさんの格好だ。

顔と体格に不釣り合いな乙女趣味全開なその格好・・・・。

一週間も寝食をともにすればそりゃ慣れるけど、それはあくまで店の中で通用する格好であって。

こんな一般道では・・・・ね。

すると。


「俺、先行くわ」


マリアンヌさんの姿をその目にとらえた先生は、そう言うやいなや駅の方向にくるっと体を向ける。

ちょっとちょっと!!

あたしを1人にしないでっ!


「先生も一緒にいてくださいよ!なんか恥ずかしいっ!」


ホント失礼だけど仲間がほしい。