「お〜江田ちゃん!具合はどう? もう歩いてても平気?」
なんだか行き場がなくなって1人で浜をブラブラしていると、正面から先生がやってきた。
・・・・ったく、白々しいったら。
まぁ、あたしがあのあとお姉サマたちのところへ行ったことは知らないから、当然っちゃ当然か。
そう思い直して、適当に相づち。
「はい、もうすっかり」
「見て見て!」と売り上げ金が入った袋を嬉しそうに見せてくる先生に少しばかりの笑顔も添えて。
・・・・てか、アンタは子どもか。
てかてか、顔が近いっ。
一緒になって小さな袋の穴を覗いているものだから、これでもかってくらいに至近距離だ。
どうしよう。
いきなり離れるのもおかしいし、かといって、ずっと穴を見ているわけにもいかない。
いくら見たところで、中のお金が増えるわけでもないんだし。
困った、大いに困った。
「あれ、江田ちゃん、なんか顔赤くない? まだ寝てたほうがよかったんじゃないの?」
すると、急にあたしのほうに顔を向けた先生。ばちっと目が合う。


