かくかく、しかじか。
さっさユカ様に話したことと同じことをそのお姉サマにも伝える。
先生はあたしの本当のお兄ちゃんではない、あの場でとっさについた嘘だった、と謝ってから。
それから5分、10分。
話しはじめてから何分くらい経った頃だろう。
「・・───というワケなんです。嘘ついててごめんなさい。だけど先生のことは諦めてほしいです」
気持ちを伝え終わると、あたしはようやく顔を上げた。
それまでは、どうしてもお姉サマの顔を見ることができなくて。
あたしが何か言うことで不快な思いをさせることは分かったいたし、逆の立場だったら当然そんなのやめてほしい。
こっちはこっちで楽しくやっている、邪魔しないでほしい、あたしだったらそう思う。
そんな気持ちがあったから、なかなか顔を見て話せなかった。
「すみません、生意気なことばっかり言って・・・・。だけどあたし、やっぱり嫌だったんです。だから嫌な思いをさせるのを承知でここまで来ました」
ホントすみません。
そう言って頭を下げる。


