すると。
「ん、ん〜・・・・。さっさの海の家って・・・・あれ、茜ちゃん? どうした? あたしたち、なんか忘れ物でもしちゃった?」
聞こえていないというか、眠っていたらしいお姉サマたちの1人があたしに気づいてくれた。
5人とも日焼けをしながら寝ちゃうとは、なんて気の合う仲間たちなんだろうか。
先生を誘っていたあの連携プレーにも、妙に納得してしまう。
「いや、あの、忘れ物はなかったんですケド・・・・個人的に皆さんにお話があった、っていうか」
「話?」
「はい。・・・・兄のことで」
そこまで言うと、そのお姉サマは面倒な素振りも見せずに体を起こして聞く態勢をとってくれた。
ほかのお姉サマたちは起きる気配がないため、代表してあたしの話を聞いてくれるみたい。
あれ、なんかいい人・・・・。
たぶん10歳くらい歳が離れているだろうあたしの話なんか聞いてくれないと思っていたけど。
こんなこともあるんだなぁ。
ちょっと感動・・・・。
「で、話って?」
「あ、はい!実は───・・」


