そうして一念発起したあたしは、さっそくお姉サマたちのところへ行くことにした。
この機会を逃したら、明日また嫌な思いをするかもしれない。
そしたらまた、弱い自分になって何も言えずに泣き寝入りすることになるかもしれない。
それに、あたしの“よしっ!”という気持ちもしぼんでしまう。
善は急げだ。
「あの!ちょっといいですか!」
5人揃って背中を焼いている彼女たちに思い切って声をかける。
この浜に来ている女性の大半は、日焼け止めを頻繁に塗ったり帽子をかぶったり。
でも、そんな中でお姉サマたちはがっつり日焼けをしていて。
「うっ、怖っ」
正直な気持ちが声に出てしまう。
今は美白の時代なのに黒くなりたいなんて、あたしの中ではギャルしか思いつかない。
でも、負けるなあたし!
「あの、さっさの海の家の者なんですけど、ちょっとお話が!」
聞こえていないのか、それとも無視をされているのか。
全く反対してくれない彼女たちに向かって、あたしはもう一度、そう声をかけた。


