再び涙が込み上げそうになる。
ユカ様があたしを思ってくれる友情の深さは、それだけで温かい。
真剣に話を聞いてくれたり、自分のことのように怒ってくれたり、慰めたり励ましてくれたり・・・・。
もう十分だ。
「でもね、ユカ様」
「なによ!それ、ていやっ!!」
もうすでに塩を撒く練習をはじめたユカ様に、あたしは“いいの”と首を振る。
こういうことは、きっと自分で解決しなきゃならないことだから。
ユカ様の手を借りるのは、ルール違反なことのように思う。
「気持ちだけ。気持ちだけ、もらっておくことにする」
「茜ちゃん、だって・・・・」
「ううん、いいの。思ってることがあるんだったら言わなきゃ伝わらないもん。それに、言われっぱなしは性に合わないし。あたしはやればできる子だ!」
「・・・・そ、そう? 大丈夫?」
「うん!全然平気!」
「そっか。・・・・うん、分かった」
本音を言うと、お姉サマたちと会うのはもう二度と御免だけど。
そう言うと、ユカ様は「だよね」と言って笑っていた。


