それから。
たとえその場しのぎでも、先生の口から“妹”という台詞だけは聞きたくなかったこと。
「先生にちょっかい出すな!」と言いたかったのに言えなくて、そんな自分が情けなかったこと。
あと、ナンパを断っていたくせに何気に鼻の下を伸ばしていたのがイラッときたこと。
そのほかにも、言いたいことを言いたいだけ、全部ぶちまけた。
昨日の裸はムダによかったとか、朝に浜のゴミ拾いをしていた姿にキュンときてしまったとか。
まさか先生、あの人たちと花火やったりしないよね!? とか。
嫌な思いもしたけど、それでも先生があたしのために何かしてくれたのが嬉しかった、とか・・・・。
「はぁ、スッキリしたぁ!」
そうして言いたいことを全部言い終わると、ユカ様が言ってくれたようにすごく楽になった。
終始聞き役に徹してくれたユカ様には、脈絡がなくて話がつかめなかったかもしれないけど。
「ほかにはもうない? 全部話して胸ん中クリアになった?」
まだ心配そうな顔をして聞いてくれたユカ様が本当に嬉しかった。


