変な誤解をされずに済んだし、彼女たちがあたしを見る目も格段に柔らかくなった。
それに関しては、先生にとりあえず“ありがとう”と思っておく。
けれど。
こうもおおっぴろげにナイナイと連発されると、本当にそう思えてくるのがなんとも不思議で。
前にも一度先生に言われたことがあったし、二度目の今度は同じ女子から、しかも集団。
・・・・なおさら堪える。
ああ、なんか、時間差でちょっと泣きたくなってきた。
「さて。なんでもなかったわけですし、どうです? 皆さんで海の家でお昼にしませんか?」
そんなあたしのことはお構いなしといった感じで、それからすぐに先生はお姉サマたちに提案した。
案の定、お姉サマたちはキャッキャとはしゃいで二つ返事で頷く。
先生は早く場を収めるためにそう言ったのかもしれないけど。
でもあたし・・・・なんだか疎外感。
「じゃあ、あたし、店に戻って話してきます。すぐにご案内できるように席を用意しておきますよ」
そう言って、どうにか先生たちの輪の中に入るのがやっとだった。


