すると。
あたしの思いが伝わったのか、今まで黙っていた先生が口を開く。
「何か誤解してない? この子、俺の妹だよ。すぐそこの海の家が俺らの親戚がやってる店で。兄妹で手伝いに来てるだけ」
・・・・えぇーっ!?
おいおい先生、さっきアナタはあたしを見てなんて言ったの。
「あ、江田ちゃん」って言ったじゃないのよ、嘘をつくならもっとマシな嘘をつきなさいよ!
しかも海の家はユカ様の親戚がやっている店じゃないのさ。
もう勘弁してよ〜。
バレないのが奇跡だよ〜。
けれど、お姉サマたちの頭はちょっとばかし弱かったらしい。
パァッと表情が明るくなり、顔を見合わせながら口々にこんなことを言いだした。
「なぁんだ、そうだったの!」
「ナイと思ってたんだよね、こんなイケメンにあんな彼女とか」
「だよね!ナイナイ!」
「うんうん!」
「はぁよかったぁ、ただの妹で」
上手く騙されてくれたけど、ちょっとは遠慮してくれませんかね。
バッチリ聞こえちゃってますヨ。
しょぼん。


