「はぁ。な〜んでこんな人、あたしもちょっと好きなんだろ・・・・」
頬杖をついて、パラダイスランチ定食をつつきながらポツリ。
無意識のうちに、そんな言葉がひょっこり口から飛び出していた。
「・・・・は? 今、なんて?」
それから少しのタイムラグがあって、ふいに顔を上げたのは先生だったのだけど。
どうやらチャーハンからグリーンピースを取り除くのに必死で聞き逃してしまったらしく、お皿の端っこにその山を作っていた。
あたしもあたしで、無意識のうちに出た言葉をすぐには思い出せるわけもなくて。
「あたし、何か言いました?」
「さぁ・・・・。なんか声が聞こえた気がしたんだけど、江田ちゃん何も言ってない?」
「どうでしょう」
「おかしいな〜、空耳?」
「ですかねぇ」
・・・・と、お互いに首をかしげることになってしまった。
先生もあたしも、もとから好きだのなんだのっていう類の感情は抱いていないわけで。
第一あたしは、正面から“ナイ”と言われたのであって。
ありえない、ありえない。


