「だからダメだよ。ほかの男になんかフラフラ行っちゃ」
きっとものすごく赤い顔をしているだろうあたしを見て、先生はふわっと優しく微笑む。
ああ、こんなに女の子を大事そうに見つめる先生の顔はいつ以来に見るだろう・・・・。
そうだ、小春さんのときだ、あれは絵になっていたよなぁ。
もう、あたしの頭の中にはピンク色の花がポヤポヤと飛んでいる。
・・・・どうしようダメだ、頷いちゃう、頷いちゃうよあたし。
「は・・・・い」
コクリ、とうとう頷いたあたし。
その返事を聞くと、さらに優しく微笑む先生。
王子ごめん、それとありがとう、あたしきっと先生のことが・・・・。
けれど───・・。
「なーんちゃって。言ったな? 言ったな江田ちゃん」
「・・・・へ?」
「俺の機嫌が悪かった? そんなのあるわけねぇっつーの。まぁ、ちびーっとはあのガキにムカついたけどね」
「・・・・」
「でもそのあと江田ちゃんが妙に俺と距離取るもんだから。おもしれぇと思ってからかってただけ」


