36.8℃の微熱。

 
あああぁぁぁ〜・・・・。

迫力に押されてつい、口が勝手にしゃべってしまった。

先生の顔のドアップは悔しいかなあたしじゃなくてもみんな弱い。

そんなのが目の前にあったら、たとえ秘密にしておきたいことも全部吐かされてしまう。


「で、その友だちとどんな話をしたのかな、江田ちゃん」

「それ以上は言えませんっ!」

「なんで?」

「なんでもですっ!・・・・っていうかもういいです!十分見たんで勉強します、あたしっ!」


これ以上はもう、何があってもホントに言えない・・・・。

あたしはバサッと机に覆いかぶさるようにして、急いで問題の山と向き合いはじめた。


だって、言えない。

先生と王子、どっちが好みかを検証するために“男の部分”を探していた、だなんて・・・・。

早い話がこういうことでしょう?


だとしたら。

きっと、とんでもなくアホなことを考えたもんだとバカにされる。

最悪なのは、この先もずっとそのネタで笑われることだ。

先生のかっこうの餌食になるだなんて、そんなの耐えられない。