「カルボナーラお願いします!」
「はい、かしこまりました」
店員さんに事情を説明して、1人でカルボナーラを頼んだ。
メニューは選べないくらいたくさんあったけど、先生が『美味い』って言ったカルボナーラをあたしも食べてみたくて。
席に案内されてすぐに注文した。
対応してくれた店員さんは、お尻がぷりっとかわいい男性店員。
その人は、上は白のシャツに下は黒のタイトなズボン、腰に同じく黒のエプロンという制服を誰よりもカッコよく着こなしている。
「ほ〜ぅ、カッコいい〜」
その人が置いていってくれた水を飲みながら、思わず独り言。
・・・・あたしって、いわゆる“イケメン”ってヤツにけっこう弱いのかもしれない。
『この人の顔が好き!』とかよくユカちゃんと話したりするもん。
うん。たぶん面食いだ、あたし。
「いやぁさ、先生も顔はいいんだよ、顔は。あれでもうちょっと優しい性格だったらなぁ・・・・」
確かにそう、先生の欠点で真っ先に思いつくのがその性格の悪さ。
意地悪ったらありゃしない。


