「なんで僕ばかり問いただすの?」
心の中で言う
少し悲しくなった
返事が来ないのは声に出せないせいなのに

傷をえぐるようにして
あの集団は僕を無視するんだ
理由もないままそれを続ける
傍から見れば可笑しい気もする
自分を守るために他人をあざ笑って

それなら僕の方が断然できた人間なのかな
だってそうだろう?
人を傷つけず 笑みを浮かべ
ただ単に道を進む
でも それだけじゃ駄目なのかなぁ
だってほら あの子がいる

「君も僕の仲間なのかい?」
優しい口調で言う
彼女は肩を震わせる
意味もなく心がぎゅっとなった

善人面して近づいて
終いには集団で群れ、殴り蹴る
そんな経験、僕だってあった筈なのに
どうして気づいてあげられなかったんだろう
「ごめん、ねぇ、話を聞いて」

僕はきっと君の事を守りたかったのかな
だってそうだろう?
人を信じられなかった
する側もしない側も
でも君は違ってたから
だってほら 僕を見る

「人」として僕を見るだろう?
そんな扱われ方は初めてなんだ
今まで大人も知らんぷりしてたからさあ

僕は君を好きで 君は僕を愛しているかい?
二人でいれば へっちゃらさ

僕はきっと君の事を守りたかったのかな
だってそうだろう?
人を信じられなかった
する側もしない側も
でも君は違ってたから
だってほら 僕を見る

僕はまだ未完成な少年なんだ
だってそうだろう?
君への気持ちを言葉にできない子供なんだ
でも君は受け取ってくれるのかなあ
僕の気持ち 僕の傷も
君の傷は僕が治してあげる
二人でいればきっと未来は明るいよ