しなやかな腕の祈り

結局、あたしはアルコールを体に少しも入れないまま"大山"を出た。


家に帰って、練習の用意をしなきゃ
久しぶりの練習に間に合いそうにない。

愛車を悠々と飛ばす。







隆弘は結局、絵里ちゃんを眺めて
溜め息ばかり吐き出していた。




結局自分が悪いんじゃん。


女癖が悪い隆弘自身が





一番悪いんだって…






男癖が悪いとか
女癖が悪いとか
今のあたしが一番嫌いな…
一番うっとうしい話題。







お母さんの顔が浮かんだ。







一途な人が報われなくて、何が平等だ…







隆弘の糞。






嫌な事考えさせやがって…






"チッ"と舌打ちをして、サングラスをかけてハンドルを
一層強く握り締めた。




雨はいつの間にか上がっていて



真っ赤な夕日が濡れた路面を照らしていた。