面白くて仕方ないのに、何だか寂しくもなった。再会して、もうすぐ四時間が過ぎようとしているけど…お母さんとあたしの間には、なんだかとても埋められない深い溝があるような気がして。





「あ-!!!食べた食べた!!!腹いっぱいだね」

「お母さん食べ過ぎやって…超人的に食べてたなぁ!!!」



そんな会話をしながら、気付くとあたしたちは家の前の遊歩道を散歩していた。お母さんは料亭で酒も飲んでいて、千鳥足だ。



「しんどい!!座ろう!!!」



そう言ったかと思ったら、お母さんは座るのではなく突如として地面に寝っころがった。



「…いつもは、1人でこうしてんのさ。」

「1人でこうして何すんの???」



あたしも隣に座った。



「色々考えんの。次の曲の振り付けどうしようとか、明日何しようとか、車にガソリン入ってたかなとか」

「ふ-ん…他には??」

「今までのあたしの人生について…とか」



急に声のトーンが下がった。じっと空を見つめながら、お母さんは今までの事を考えるんだ…それだけしか分からなかった。



その日は2時間くらい2人で座り込んだ。会話なんかほとんどなかった。空が綺麗だったから。