されど空の青さを知る

道の真ん中を歩くようになった。

20センチ俯くようになった。

視線を泳がせるのが得意になった。

口角を少しだけ持ち上げたままのカオが私になった。

嘘をつくのが上手になった。

幸せなフリをするのが得意になった。



(ウソツキ)



ホントは嵐至が欲しくて欲しくてカラダもココロもずっと悲鳴あげてるのに。



もう、イヤだよ。
疲れたよ。

合わせてもらえない視線も、

呼んでもらえない名前も、

あれから一度もならない着メロも、

過ぎていく日々がもたらすプレッシャーも、

徒に増えてくフったオトコの数も。



もう何もかもが厭だ。




(あー、泣きそう、ヤバイ)




空を仰いで、
浮かんできた涙を瞬きで散らして。


私はまた平気なフリをする。



空は群青色へとその表情を瞬く間に変え、
色濃く落ちる木々の影が私の表情も隠すように辺りを包んだ。




今なら、今だけなら少し泣いても許される?