一つの物語

「私に言ったこと覚えてる??」

一歩の顔が赤くなる。
「うん。覚えてるよ。俺は……宮が大好きだよ。」

そう言うと一歩は痛む体を起こして、近くにいる宮に近付いて、

宮の唇にキスをした。
一歩からのキス!!

唇が離れて、一歩が、「ありがとうな。そして、これからよろしくね。」

宮は笑顔で、
「うん。」

外で季節はずれの天気雨が降っていた。

空にきれいな虹がかかった。
その虹が……二人の幸せを祝福しているようだった。



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