恋せよ男女（オトメ）

「ありがとうって言うなよ＃」



篤は不機嫌に言った。



遅めに始めたランチが終わったのは太陽が西に傾きだした頃。



店を出たら辺りは少しオレンジ色がかっていた。



「ご馳走様でしたｍ（＿　＿）ｍ」



「これから時間あるならどっか行く？」



「・・・・ごめんなさい昨日全く寝てないから、お腹いっぱいになったら眠たくなってきた（－＿－；）」



「そっかぁ～じゃー家まで送るよ＝３」



「うん・・・・お願いしますm(_ _)m」



「結衣ちゃん・・・・」



話しかけようとふと助手席を見たら、車に乗ったばかりなのに結衣は眠りに入っていた。



「・・・・huhu・・・・・（＾－＾）」



『今告白した奴の前で寝るか？！』



篤は自分の横で無防備に眠る結衣の姿に思わず笑ってしまった。



『こんなところが可愛いって・・・・・（＾－＾）』



先に好きになってしまった自分の負けを認めざるをえない気分。



運転しながらも何度となく結衣の寝顔に目をやって



・・・・・。



昨日の今日なのに我ながらハマッてる・・・・



室井にいつも言われている恋愛論が頭の中に浮かんだ。



『人を好きになるってこんな感じなのか～』



今まで何人か付き合った事はあっても自分の心はそんなに揺れる事はなかった。



好きと言ってきた女性が1人相撲をして疲れて去って行く・・・・・



毎回同じようなパターン



今まで自分と付き合った女性の気持ちも少しだけ理解ができたように思えた。



・・・・・hu



「俺ヤバイな・・・・」



エンジン全開になってしまいそうな自分に少しだけブレーキをかけた。