“キミの隣”


いつまでも、キミがあたしの隣にいてくれるって


思っていた。


でも、この頃あたし達に立ち向かう思春期の壁が


あたし達を突き放した。


おかげでキミの周りには女の子がいっぱいいて、

あたしの入る隙もない。


じょじょにあたし達の‘幼馴染み’という距離はこうして離れていった。


前みたいにあたしに話しかけてくれなくなったキミ。

あたしも思春期だからキミの気持ちも分からなくない。


キミは、あたしと一緒にいることが恥ずかしくてたまらないんだ…


だから、あたしの隣に来ようとしないし、話しかけてもくれない。


でも、それはあたしにとってはとても寂しいことだった。


キミとふざけて大笑いするのが、日常みたいなもので

こんなことが起こるだなんて思ってもみなかった。


勇気を出してキミに声をかけても、キミはそれを無視した。


キミの隣。

今まであたしがキミの隣にいたのに

今のキミの隣には

あたしとは正反対な可愛らしい女の子が立っていた。

キミの彼女。

知りたくないその情報。

この時、初めて自分の気持ちに気づいたんだ。

キミのことが好きだってこと。