俺の彼女

近づいてくるレンガ作りの門

その影に
はち切れんばかりの制服


年末の贈り物のハムのような腕が見えた



はぁはぁ…
切れる息を圧し殺して
ゆっくり近づいた


サラサラのストレートを風になびかせて

彼女がゆっくり
顔をあげる


「なに…―してるの?」


驚きを隠せない俺に彼女は俯く

「あ、ち、近くに用事があったから…。」


小さな小さな声

「それで…俺を待ってたの?」

微かに膨らむ期待
俺は彼女からの一言を期待している


お願い

言って?


俺の欲しい一言







「少し…待ってた…。」



全身を真っ赤に染めて
大きな体を丸めて

俺を遠慮がちに見上げた彼女

その瞬間
全身の力が抜けるくらい

嬉しさが込み上げた