俺の彼女

ザッザッザッ

もう耳馴染みの足音

「せーりーざわー?」
おかしなイントネーション
ババアもついにイカれたか?

「なんすか?」

「その傷はなんだ?」

鋭い視線がまだ赤く腫れる口元を突き刺す

「青春の痛み。」

「バカか。光合成のしすぎで脳ミソが緑になっちまったんじゃないか?」


頭のヒョウタンを器用に揺らしてババアが笑う


いつかこのヒョウタンの中身を見てみたいもんだ


「人間は光合成しないし。」

「黙れ、ガキ。
もう下校時刻はとっくに過ぎてるぞ?

いつまで校門に女の子を待たせておくつもりだい!」


は?

「校門に女の子…?!」


まさかっ



考えるよりも足が早く動いた


後ろでババアが意味ありげに微笑んでることなんて完全無視


一気に校門に走り出した