俺の彼女

その時だった


通りすぎた女達の声が耳に入った



「何あれ?見たぁ?」

「見た見た!ヤバイよね〜超デブ♪」

「よく、あんなの連れて歩けるよねぇ…。絶対無理なんだけど。」




…愛梨はっ?!



彼女は大きい体を必死で小さくしようと


女達の声を聞かないように

いや、耐えるように



両手を膝の上で固く握りしめていた



俺はどうすることも出来ない



女達はまだ愛梨の事を笑っていた



頭が熱くなって


無意識に愛梨の両耳を塞いだ



涙を一杯に溜めた
大きな瞳


「大丈夫だから…。

待ってろ。」


彼女の驚いた顔を残して
俺は歩き出した