俺の彼女

店の前のベンチに座る俺


そのベンチの端に
大きな尻をチョコンと乗せて座る彼女



「なんで、そんなに離れて座ってるの?」



最大限に俺から距離を取ろうとしてるのが


制服を濡らされたことよりも



なんか

ムカついた



「あ、えっ…と

制服…濡らしちゃったし…」


語尾がだんだん小さくなる


さっきまで俺の学ランを拭いていたハンカチで

今度は自分の顔を拭き始めた



「それ…!」



「え?」



愛梨が使っていたハンカチは俺が渡した物だった


「せっかく頂いたので…つ使わせてもらったんです。」



俺の渡したハンカチを
大事そうに
たたみ直す姿



心が熱く
嬉しくなった