俺の彼女

俺の学校から
海岸線に出て約10分



ガラス張りの白い建物が見えてきた



愛梨の家の花屋


店先では彼女がホースで水を撒いていた



バイクを降りて近づく


〜♪


鼻唄混じりで
楽しそうにスカートの裾を揺らしていた



水しぶきが宝石みたいに輝いて眩しかった



「よ。」



愛梨が俺の方に振り返った


その瞬間
勢い良くホースから放たれた水が


俺を直撃した



「つめてっ!」


「きゃゃゃや!!」



その事態に驚いた愛梨は慌てて水を止めて


俺に駆け寄った



マジかよ…

学ランはびしょ濡れ
ワイシャツまで水は染みていた


はぁぁぁ…


思わず口を出るため息


「ごめんなさい。
ごめんなさい。ごめんなさい。」


何度も繰り返しながら
ハンカチで俺の学ランを拭く愛梨


目には涙が溜まっていた