俺の彼女

店内に足を踏み入れる


鉢植えや観葉植物
切り花などがバランスよく配置され


奥のガラスケースには
俺でもわかるような有名な花が並べてあった



「いらっしゃいませー。」



店の奥から
巨体が出てきた


「よ。」



軽く挨拶する俺に気づいて
大きな体がブルンと揺れた


愛梨の目は大きく見開かれ

鯉のように口をパクパクさせている



俺は必死で笑いをこらえた


「な、なにして…るんですか!?」



「花が欲しいんだけど。」



「え?」



え?
って…

ここは花屋なんだから
花買いに来るのは当たり前じゃないの?


本当に面白い



「あんたの好きな花でいいから、小さな花束作ってよ。」