俺の彼女

ふわっ…


不意に鼻孔をすり抜けた甘い花の香り



「芹澤くん。」


猫のような高い声


視線の先には俺の彼女


「ごめん、待たせちゃった?」


走ってきたのだろう
紙を手櫛でなおしながら
愛梨はゆっくり近づいてきた


「大丈夫、気にしないでいいよ。
ん…。」



起き上がってベンチを半分開ける


愛梨は恥ずかしそうに隣に座った



緊張してるのがわかる


大きな身体が
ガチガチだ



プッ…



思わず笑いが漏れる


「え!?な、なに?」


慌てる彼女

…可愛い



「俺の隣って、そんなに緊張する?」