俺の彼女

袖がフリルの白いTシャツに黒グレーボーダーのジャンパースカート、デニムレギンス

髪は揺るかに巻かれ
前髪はサイドに流されて
猫のような大きくて綺麗な瞳が俺を見つめていた


｢お、おはよう。｣

その顔はどこか悲しげだった


｢おはよ。
…なにかあったの？｣


覗き込む俺を避けるように愛梨は後退り、俯く


｢愛梨…？｣


いつもなら
顔を真っ赤にして
“な、なんでもないよ！”って慌てハニカムのに…



愛梨の目には涙が溢れ
頬を一筋伝った



｢え…？｣


｢ごめんなさいっ！｣

ドンッ!!


驚く俺を突き飛ばして
愛梨は巨体を揺らしながら走っていく


｢ちょっ…！愛梨！？｣


降りしきる雨の中
走り去る愛梨を必死で追いかけた


次第に近づく距離


｢待ってよ！｣


やっと掴んだ愛梨の右腕を引き寄せる


ザー…


雨音と荒い呼吸だけが耳に響く


｢なんで逃げるの？｣


俺の問いかけに愛梨は振り向かない


ただ肩で息をして
うつ向いていた