探す為に、呼ぼう。

太陽の光は、土砂降りのようにじめじめとした、耕太の心も照らした。
耕太は笑った。誰に言われるわけでもなく、心の底から笑った。

「耕太……」

父と母が、耕太のその笑顔を見るのは、一年振りだった。耕太は、飛房が死んだ事で、心から笑うと言う事をしなくなっていた。そんな、耕太の心の中にある曇りを晴らしたのは、飛房の言葉と太陽の光だった。

「ありがとう、飛房。神様、僕分かったよ。僕の探しモノが……」

そう言い、耕太は自分の胸に手を当てた。

「ずっと、僕の心の中にあったんだね」

晴れ渡った空の下、少年は勢いよく山道を駆け降りた。自然は、少年の迷いない心に歓喜の風を吹き、少年の背中を押す。道に溜まった水溜まりが、空模様と飛房を映し出す。

水溜まりの飛房は、少年と同じく笑っていた。




その日は、雲一つない快晴。

『一緒に笑おう』少年と一匹が口にしたその言葉は、今でも少年と一匹の胸の中に、生きずいている……。