テーブルをはさんで俺の八十センチ前方でお茶をすするのは、山下敦美(やましたあつみ)という女性。俺のいとこにあたる。

たしか3つ上だから今は18歳か…でも、最後に会ったのはまだ小学生のとき……

そのときは、どこにでもいる普通の女の子だったのだけど……

「たーくみ?」

そんなことをボーっと巡らせていた俺の顔を、敦美は顔を斜めにしてのぞきこんできた。

「巧も大っきくなったわねぇ……」

くりんとした目をパチクリとさせ、驚きよりもどちらかといえば呆れ顔に近いような表情で、ほおずえをつき、小首をかしげるようにして俺を見ている。


「……うん…まあね……」

目が合うと、ずっと直視していられないようで、思わず顔をそむけた。