「ふー……」

思わずもれるため息。
ふと前を見ると、みかんの皮が雑誌の上に置いてあった。

「えいっ、っと」

それをごみ箱に投げ入れ、ベッドに身をゆだねた。

両手を頭の下で組み、つい1分前まで敦美が腰をあずけていた椅子を、ぼーっと眺める。

今まで聞こえなかった蛍光灯のジー…という音が、やけに耳に入ってきた。