「おー、えらいすまんのー!」

父は満面の笑みでグラスを差し出した。斜め45度ほどに傾けられたグラスにビールが注がれると、瞬く間に白い泡がたつ。ビールのかさがグラスの半分ほどに達したときには、泡がグラスから溢れんばかりに盛りあがった。父は、グラスの淵からこぼれた泡を

「とっとっと……」

と、口で迎えに行きながら

「しっかし、えらいベッピンさんになったもんやなあ……」

と、敦美の方を見た。